最近読んだ無料漫画 『Helck 1』

最近割とよく目にする、勇者と魔王の世界で魔王を滅ぼした後日談的なお話です。以前からドラクエの4コマ漫画などではモンスター側の生活みたいなものを描くことも少なくなかった気がしますが、最近だと魔王軍の社会や文化だったり、経済なんかを描いている作品もよく見るようになりました。読者への世界観の説明もし易い題材でしょうし、魔物がいた方が描き易いこと、というのもきっとあるのでしょうね。

タイトルにもなっているヘルクは表紙右上に薄く小さく描かれている人です。全然カッコよくはありませんが反則級に強い勇者で、なぜか魔王亡き後の魔王軍に合流して、爽やかに人間を滅ぼそうとしています。タイトルにもなっているので主人公のはずですが、少なくとも1巻では表紙の全面に出ている元帥的な立ち位置だろうと思われる、帝国四天王 赤のヴァミリオが主人公にしか思えません。きっと2巻以降も同じスタイルで続いていくのだと思いますが、ヘルク、謎です。いい味出してます。

1巻の段階ではお話が面白い、というよりはキャラクターの魅力で読まされる感じでした。正直、キャラクターの魅力だけでも5,6巻は読めてしまいそうな気もしますね。シリアスバトルモノは目指していないと思いますので、コミカルでシュールな世界観をどれだけ構築出来るか、というところでしょうか。これがギャグに寄ってしまうと疲れてしまうので、私にはちょっとツラいですね。

お話としてはオリジナリティを出すのがなかなか難しそうな気はします。ヘルクが魔王軍を率いて、人間を殺戮しまくるシーンとかを描けたら新しいかな、とは思いますけれども（別に読みたくなりませんね…）。個人的にはキャラクターと今のテンポというか温度を大切にして淡々と続けて欲しいな、と思いました。続きはぜひ読んでみたいです。

Helck（１） (少年サンデーコミックス)