『さえずり言語起源論』からの引用1
小学生低学年の頃、実家でジュウシマツを飼っていたことを思い出しました。どこかからの貰い物だったと思うのですが、子どもが出来たり何だりで、結構長いこと飼っていた気がします。最期はかなり衝撃的なドラマがありましたが…。
考えてみれば、ジュウシマツは日本で作出された小鳥である。英語でジャパニーズフィンチと呼ばれるほどである。飼い鳥研究家の石原由雄さんや鷲尾絖一郎さんによれば、九州の大名が二五〇年も前に中国からコシジロキンパラを輸入し飼い馴らしてゆくうちに、今のジュウシマツになったらしい。ドイツのクラウス・インメルマンは、一九六〇年代よりキンカチョウをジュウシマツに育てさせて歌の学習を調べていたが、日本の大名たちはそれよりずっと前からジュウシマツを使ってさまざまなフィンチを育てていたのだ。鳥の歌の科学においては、ジュウシマツは今までずっと仮親に甘んじていたのである。
さえずり言語起源論 P18『2 複雑な歌をうたうジュウシマツ』 より
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