思考の消化器官

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『サバがトロより高くなる日』からの引用4

あまり健康的ではなさそうな話です。中には畜養と天然物のトロの違いが分かる方もいるのでしょうけれども、きっと私にはわからないだろうなあ、と思います。そもそもトロよりも赤身が、マグロよりも青魚が好きなのですけれどもね。

畜養されるマグロは、数ヵ月から半年の間にイワシやサバ、イカなどを粉末にした濃厚な飼料をを大量に与えられ、丸々と太り、脂が乗った体になる。ミナミマグロの場合、体長は二メートル、体重は百五十キロを超え、クロマグロだと体重は三百キロを超えるまでになるという。天然のマグロは、寒い時でないと脂が乗らず、いいトロが取れる時期も海域も限られるが、畜養は違う。濃厚な飼料を与えることで、霜降りの松阪牛のように全身に脂が乗ったトロを「生産」することができる。天然物では体重の二〇%もトロがある魚はそうはいないのだが、畜養だと九〇%近くがトロかトロに近い状態というマグロも作れるそうだ。
最近では、飼育期間を長くしてさらに太らせたマグロを作ろうとの試みも進んでいる。餌はイワシやサバなど脂の多い魚を与えてトロの多いマグロに育てるというのが一般的らしく、赤い色を付けるためにサクラエビのようなエビを餌に混ぜることもあるという。あまり大量にイワシなどを与えると魚肉が生臭くなってしまうので、与える餌の量や出荷時期と餌の加減などに業者は工夫を凝らしているらしい。

サバがトロより高くなる日 P163『第二章 養殖は漁業を救えるか』 より

サバがトロより高くなる日

サバがトロより高くなる日

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