思考の消化器官

色々な感想文とか。生活のこととか。

『男性不妊症』からの引用1

医学の進歩は本当に凄いですね。まだ機会はありませんし自分の身体の状態のこともよくわかりませんが、いざ子供が欲しいとなって、問題があった時には解決出来るかもしれない技術が存在する、というのは少し不安が減りますよね。ありがたいことです。

精子の状態が弱く、受精能力が低いと考えられる場合には顕微授精(ICSI:Intracytoplasmic Sperm Injection)を行います。これは、顕微鏡で見ながら、極細のガラス針に精子を1個だけ吸い込み、この針を卵子に穿刺し、精子卵子の細胞質の中に注入する方法です。精子の数が極めて少ない方でも精子が1匹でも見つかれば、この顕微授精により妊娠のチャンスがある時代となりました。
受精した卵を培養器の中で培養させ、採卵後2日目から3日目に4細胞から8細胞になった胚(初期胚)や、さらに2~3日培養を続け、胚盤胞となったところで、移植カテーテルを用いて子宮内に移植を行います。
補助生殖医療の発展により、不妊治療は大きな進歩を遂げました。特に男性不妊治療において、顕微授精の普及は大きな福音になっています。たとえば、射出精液中に精子が1匹もいない「無精子症」や精液中の精子濃度が500万/ml以下の「高度乏精子症」の方は15年前であれば治療法はなく、赤ちゃんをあきらめるしかなかったのですが、現時点で、無精子症の患者さんでも60%程度の症例において、精巣精子を用いた顕微授精により子供を得ることができ、高度乏精子症の患者さんでも、ほとんどの方が挙児(子供を得ること)可能となりました。
ちなみに体外受精の「受精」は手ヘンがありませんが、顕微授精の「授精」は手ヘンがつきます。体外受精の場合は、ヒトの手を介さないので、手ヘンがつかないのです。

男性不妊症 P27『第一章 妊娠は奇跡である』 より

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