思考の消化器官

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『男性不妊症』からの引用2

様々な局面で「男のプライド」は邪魔になることが多いですよね…。最近では男性側にもタイムリミット(リスクの面で)があることが以前よりも明らかになっているので、時間の浪費は避けたいところです。自分の受けた性教育を思い返して(ほとんど受けなかったに等しいと思いますが…)、避妊を中心とする性教育も大切かと思いますが、妊娠の難しさ、という面ももう少し扱われるべきことのように思いますね。

来院される女性の多くは非常に積極的な態度で不妊治療を希望されますが、男性側は、診察、精液検査などを恥ずかしいと思う理由から、来院を敬遠される方が多いのが事実です。これは「男のプライド」が受診の妨げになっていることは言うまでもありません。まさか自分が原因で子供ができないなどとは思ってもいないのです。生殖に対して全く無知であることが大半で、「子供なんて自然にそのうちできるさ」と思っています。
どんな病気においてもそうですが、「自分だけは大丈夫」という根拠のない自信を持っていることが多く、それが受診の遅れにつながり、結局は頑張ったけれども子供が持てなかった、という事態にもつながりかねません。
女性側が婦人科でさまざまな検査を受けて異常がないと診断された後、夫に来院を勧めるも拒否される、あるいは言い出すこと自体を躊躇される方が非常に多いのです。
治療方針を説明し、実際に治療に進むことになった際、「こんなことならもっと早く相談しておけば、妻を傷つけずに済んだのに……」と漏らす患者さんも少なくありません。事実から目を背けていては、解決できないことがあるのです。
特に不妊治療においては、女性には必然的に妊娠年齢のタイムリミットがあり、男性の変なプライドが邪魔することによる時間の浪費は、子供を持つ可能性をどんどん狭めていくものでしかありません。

男性不妊症 P29『第一章 妊娠は奇跡である』 より

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