『クマムシ?! 小さな怪物』からの引用1
想像していたよりも全然長生きではありませんでした。観察するのが難しいくらいに全然死なないような生物なのかと思っていましたね。
一般にクマムシは長生きだと思われているが、活動期の長さが直接わかる記録は乏しい。
そこで、三つの卵塊を選び、全部で一六匹のオニクマムシの孵化から死に至るまでを観察した。具体的には実体顕微鏡にデジタルカメラを付けて毎日写真をとり、その画像から体長測定をした(表2と図16)。もっとも成長の速い個体は孵化後一二日で産卵し(表2の8番)、また最大八齢まで至った(14~16番)。最長寿だった個体(16番)は五回の産卵で計四一卵を産んだ。この個体は五五、五七日目に容器壁面の水面上で自ら乾燥するかのような行動を示したので、その都度注水して蘇生させたが、五八日目に三たび乾眠してしまったので、ここで観察を終了した。
クマムシ?! 小さな怪物 P36『2 オニクマムシの生活史』 より
- 作者: 鈴木忠
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