『サバがトロより高くなる日』からの引用2

マネー・ロンダリングならぬマグロ・ロンダリングというものがあるというのも驚きですが、今も海の上をさまよっているという幽霊船みたいな逸話もなかなかですね。本書後段にも書かれていますが、消費者の立場としては入って来てしまったら、そういった違法マグロを見極めることは不可能だと思いますので、今も、そして今後もマグロに限らずしっかりとチェックされていて欲しいものです。

業を煮やした水産庁は、これらのデータを基にICCA会合で、「協会が定める漁獲枠を超えて捕った大西洋産メバチをインド洋産に偽装するマグロロンダリングである可能性が高い」と報告。台湾代表が、その場しのぎの言い訳に終始したこともあって、参加各国の強い反発を買う結果になった。
ICCATは事態を重視し、台湾に「一年後までに事態が改善されなければ、日米欧などの加盟国はマグロの禁輸などの経済制裁をする」と通告し、対策を求めることになった。過去には違法品だとして日本で水揚げを拒否されたマグロが、韓国などで加工され、缶詰になって日本に輸入された例もあったらしいが、今回ばかりは水産庁のチェックが厳しいために、そう簡単には買い取り先が見つからないらしい。関係者によると、日本に水揚げされようとして拒否されたロンダリングマグロは、加工品にすることもできずに、運搬船から運搬船へと積み替えが行われ、今も海の上をさまよっているという。

サバがトロより高くなる日 P55『第一章 乱獲の実態』 より

サバがトロより高くなる日

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