思考の消化器官

色々な感想文とか。生活のこととか。

『男性不妊症』からの引用4

元気がいいと上の方へ泳いでいくのですね。特に使う当てのない情報ですが、色々な機会になるほどーと思えるかもしれません。それにしても人工授精の妊娠率は10%くらいなのですね。確かにかなり想像よりも低かったです。妊娠する、というのは大変なことなのですねえ。

人工授精はその名前から、非常に人為的に妊娠を操作するような印象を持たれますが、実際はそうではなく、射出していただいた精子を調節し、子宮内へカテーテルを使って注入するものです。この調節により、精子濃度はずいぶん上昇しますし、膣内の精子にとっての過酷な状況をパスできるという大きなメリットがあります。かつては精液をそのまま子宮に注入するといった簡単なやり方をしていましたが、この方法では妊娠率がきわめて低く、また精液に細菌などの混入がある場合には感染の危険もありました。そのため、最近は洗浄した精液を用いるのが一般的です。
現在行われているのは、パーコール法といって濃度勾配で質の良い精子を分離する方法やスイムアップ法という元気のいい精子が精液の上の方に泳いでくる性質を利用して、これを回収する方法です。人工授精の妊娠率は施設により異なりますが、全体的に10%前後とさほど高いものではありません。そんなに低いのかと驚かれるかもしれませんが、その妊娠率の低さから5~10回行っても妊娠に至らない場合、体外受精へのステップアップを勧める医師が多いのです。

男性不妊症 P81『第三章 男性不妊症治療の最前線』 より

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