『名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語』からの引用2
同一の新聞社なのですかね。だとしたら、結構恥ずかしい感じがします。とは言え、この手の変節は現代でも観測されない訳でもありませんから、そういうものなのでしょう。
エルバ島の元皇帝はほくそ笑む。不満分子は国の至る所にいた。追放されて一年も立たず島を脱出した彼は、次第に膨れあがるシンパを引き連れ、途中、一度の発砲もなしにパリへと北上する。
この時の新聞記事の変遷が、情けないやら可笑しいやらで、「怪物、流刑地を脱出」に始まり、「コルシカの狼、カンヌへ上陸」「王位簒奪者、グルノーブルへ入る」「専制皇帝ボナパルト、リヨンを占拠」「ナポレオン、フォンテーヌブローへ接近」、最後は「皇帝陛下、明日パリへご帰還」ときたものだ。
名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語 P185『第11章 ダヴィッド『ナポレオンの戴冠式』』 より
- 作者: 中野京子
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