思考の消化器官

色々な感想文とか。生活のこととか。

『ゴマの来た道』からの引用2

ヒョウタンからゴマ。ゴマの入ったヒョウタンがどんぶらどんぶらと海を渡ったのでしょうかねえ。

ヒョウタンから駒が出る」ならわかるが、一九八三年、スーダン東部のある農家を訪れたとき、黒光りするほど古くて大きいヒョウタンから「ゴマ」が飛び出たのには、さすがにびっくりした。入れるのはゴマばかりでない。他の作物の種子貯蔵に格好の入れものになっていたのだ(Ⅱ章扉の写真参照)。
ヒョウタンの外側の果皮には、角皮層と呼ばれる強靭な組織がよく発達するので、空気や水を通さない。一九六二年、ホワイタッカーらは、ヒョウタンに種子を入れ二年間海水に浮べておいたが、海水は浸透せず、なかの種子の発芽力も低下しないことを実証した。このことは、アフリカ起源のヒョウタンの、海流による世界への早期伝播を意味し、日本でも縄文時代遺跡からの出土に、その裏付けがみられる。

ゴマの来た道 P32『Ⅱ 絹の道よりはるかに遠いゴマの道』 より

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