『ゴマの来た道』からの引用1
ゴマの栽培種が一種のみというのは意外な感じがします。ゴマを使った料理はどちらかと言うと、中華や和風な感じがしますが、アフリカ原産の可能性が高い植物なのですねえ。
われわれが食べるゴマを栽培ゴマ、または栽培種と呼び、これは世界で一種のみであるのに対して、野生種には、三六種ほどあって、その大部分は熱帯アフリカのサバンナ植生地帯に生育分布している(図Ⅱ-2、付表2参照)。これらの野生種のなかには、形態的に栽培種と全く異なるものから、よく似たもの、さらに両者の間で交配のきくもの、つまり栽培ゴマの親戚のような野生ゴマまである。このような事実が、ゴマのふるさとは、熱帯アフリカのサバンナ植生であるといわれるゆえんである。
ゴマの来た道 P24『Ⅱ 絹の道よりはるかに遠いゴマの道』 より
- 作者: 小林貞作
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1986/10/20
- メディア: 新書
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