思考の消化器官

色々な感想文とか。生活のこととか。

『ナメクジの言い分』からの引用2

これを見ると、ナメクジを生きたまま呑めば大抵のことは治りそうな気がしてきます。

柳田国男の門下生である鈴木棠三が後輩の吉川永司、常光徹らと一九八二年に作成した『日本俗信辞典 動・植物編』(角川書店)には、各地に伝わるナメクジの効能が紹介されている。
「声がよくなる」。焼いて食べる(石川県江沼郡(現在の加賀市))、生のまま呑む(秋田、埼玉、愛知、福井、大阪、広島)。
「痔」には、食べる(愛知県南設楽郡(現在の新城市))、生で呑む(石川)、黒焼きを飲む(岡山)、黒焼きをつける(愛知、高知)、ナメクジと黒砂糖を練ってつける(静岡)など。
「淋病」には、生きたまま呑む(石川、富山、岐阜、福岡、熊本)、水と一緒に呑む(石川)、黒焼きを飲む(大分)。
「喘息」には、生のまま呑む(山形、長野、岡山、山口、香川、福岡)、黒焼きを服用する(埼玉、大分、鹿児島)、蒸し焼きにして食べる(石川)、生乾きになるまで陰干しにしたものを煎じて飲む(兵庫)。
結核」には、生のまま呑む(香川、福岡)、毎日一匹ずつ砂糖をつけて食べる(愛知県南設楽郡)、砂糖につけて呑むか、焼いて醤油をつけて食べる(徳島)。
「胃病」には、丸呑みにする(埼玉)、天日で干したものを煎用する(神奈川)。
「腎臓病」には、乾燥して粉末にし、湯をそそいでお茶代わりに飲む(鹿児島)。
と、まあ重宝がられていたようだ。

ナメクジの言い分 P92『5 ナメクジに引かれた人たち』 より

ナメクジの言い分 (岩波科学ライブラリー)

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