『力士の世界』からの引用1
力士の世界には欠かせない行司にも知らないことが色々とありますね。
行事の場合、序ノ口行司から幕下行司まで「行司養成員」の身分の者は、黒か青い色の房がついた軍配しか使えません。この間は草履どころか足袋をはくことも許されず、袴をたくしあげて膝のところで結んで脛を出し、裸足で土俵を務めるのです。十枚目行司になると初めて、房の色が青白に変わります。白足袋をはくことも許されて、普通の袴をはけるようになります。やっと裸足を卒業できるのです。
ちなみに十枚目行司より上は、地位が上がる度に房の色や装束が変わっていきます。幕の内行司は房の色が紅白で白足袋という姿、三役行司になると房は朱色で腰に印籠を下げ、白足袋に上草履をはくことも許されるようになります。定員二名の立行司は、腰に短刀を携えます。二人の立行司は必ず「式守伊之助」と「木村庄之助」を名乗りますが、軍配の房は伊之助が紫白、庄之助が総紫です。同じ最高位の立行司でも結びの一番のみを裁く木村庄之助のほうが上位で、式守伊之助は次位に位置します。
力士の世界 P21『第一章 相撲は神事』 より
- 作者: 33代木村庄之助
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