『物語 英国の王室―おとぎ話とギリシア悲劇の間』からの引用1
出席するかもしれないのでメモしておこうと思います。日本にも似たようなシステムがあるに違いありませんね。
晩餐会に出席するのものは、それなりのマナーが必要である。読者が出席するかもしれないから、そのとき困らないように必要最小限の心得を書いておこう。
食事が始まるころになれば、食事係のバトラー(執事)が何人分もの食物を大皿に盛ってかついでくる。これを国賓といえども自分で自分の皿に移さなければならない。自分の好きなだけ食べるという趣旨からである。レストランと間違えて、「イエス、プリーズ(はい、お願いします)」と言ったまま、バトラーが配ってくれるのを待つ招待客が多いという。テーブルに肘をついてはいけないのは普通のマナーだが、肘をついた客に女王が「お体が悪いのですか」「本当に大丈夫?」と二度も声をかけたことがあった。それでも気付かなければ客として失格である。
食事の席で女王から求められていないのに向かい側から声をかけるのもマナー違反である。通常、女王はフル・コースの料理の第一番目と二番目のコースが出ているときに左に座った人に話しかけ、三番目のコースから右側の人に話しかけるという不文律がある。これを無視して大向こうから声をかけてはいけないのだ。
物語 英国の王室―おとぎ話とギリシア悲劇の間 P8『Ⅰ 女王の生活と儀式』 より
- 作者: 黒岩徹
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1997/01
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