思考の消化器官

色々な感想文とか。生活のこととか。

『人体 失敗の進化史』からの引用3

魚を丸ごと胃袋に収納するって、物凄く胸焼けしそうだなって思ってしまいました。骨盤まで胃だという図を人間に当てはめて考えてしまうと、とても気持ちが悪く感じられてしまいます。もちろん人間に当てはめて考えること自体に意味はないのですけれども。

目の前の、与し易いはずの手頃なサイズの鳥の身体は、実は、胃を背骨と平行にできる限り長く伸ばすように進化しているのだ。卵の殻を破って生まれ出たら最後、こうして天寿をまっとうするまで、この鳥は背骨をまっすぐに立て、二本足で立つことを基本姿勢にして生きている。そして、この鳥はそのままの姿勢で、つまり、胴体をまっすぐ伸ばして魚雷型の体型をつくりながら、水中を巧みに”飛び”回る。泳ぐというより、飛ぶという形容が似合うほどの水中生活のエキスパートだ。しかも、この鳥は、自分の身長より少し小さいくらいの魚体を丸呑みにして暮らす。呑まれた魚はとりあえず、ペンギンの体内に収まらなくてはならない。そこで、ペンギンは頸部の食道から身体の後方に至る細長い部屋を、哀れな魚体のために用意する。左様、この動物の胃袋は、呑みこんだ丸ごとの魚を十分に収納するために、後ろはこの動物の後肢の付け根、つまりは、骨盤付近にまで長く伸びているのだ。お腹の全長を占めるほど、縦長の胃が腰まで伸びて、骨盤で私のメスを待ちうけていたことになる。

人体 失敗の進化史 P127『第三章 前代未聞の改造品』 より

人体 失敗の進化史 (光文社新書)

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