思考の消化器官

色々な感想文とか。生活のこととか。

『皮膚感覚の不思議』からの引用4

小学生高学年の頃、父の田舎に連れて行かれて一人で毎日知らない人に会わされた時に自然と頭を掻く癖が出来た時があったのですが、きっとこういうことなのだろうなあ、と今では思います。最近になって、自分が思った以上にストレスに弱いのかもしれない、と思い始めました。十二指腸潰瘍にしても結局はストレスのせいですものね。

不安や怒り、困惑といった不快な感情に襲われたとき、無意識のうちに頭を掻くことがある。チンパンジーの研究でも、たとえばエサを取ろうとして何者かに妨害されたときなどに、皮膚を掻くという。これは、妨害する相手を攻撃したいのだが、その欲求が何らかの理由で抑圧されて自分に向かうのではないだろうか。
人の場合も、不快な感情エネルギーが高まり、それを外に向かって発散する必要があっても、社会生活を円滑に営む必要性から、それができないときがある。たとえば、漫画でもよく見かけるが、困惑を表すとき、頭をポリポリと掻くしぐさをする。特に頭が痒いわけではなく、無意識にそうすることで、ストレスを緩和しているのだろう。人は掻くことで、ストレスや困惑といったエネルギーの高まりの原因を、象徴的に体外に掻き出そうとしているのかもしれない。

皮膚感覚の不思議―「皮膚」と「心」の身体心理学 P119『3-3 ストレスと痒み』 より

皮膚感覚の不思議―「皮膚」と「心」の身体心理学 (ブルーバックス)

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