深夜の歌声
深夜、心地よい眠りを妨げられた。
まだ、完全に醒めていない頭に入ってくるのは、耳からと思われる不思議な情報だけ・・・しかも、それは過去には全く聴いたことがない歌だった。
何だか異常にメロディアスで、聴いたことがないのにもかかわらず、少し懐かしい・・・。何となく『昭和』を感じさせる歌。
おかしな時間に起こされて腹が立ってもおかしくないのだが、その歌声を聴いていると不思議と腹が立つこともない。
歌っている人は酔っているようだったが*1、なかなか歌も上手く、何よりも声量があった。
とは言え、さすがに窓も閉め切っている状態では歌詞まではハッキリと聞こえてこない。何だかモヤモヤした気持ちを抱えていると、歌声も聞こえなくなってしまった。
深夜の歌を忘れないように、メロディーを頭の中で反芻しながら再び眠りについた。
しかし、起きるとメロディーは消えてしまっていた。夢を聴くという、新しい体験だったのだ、と思うことにしよう。
*1:酒に酔っていなくても、深夜に大声で歌っているのだから、少なくとも自分には酔っていたことだろう