思考の消化器官

色々な感想文とか。生活のこととか。

かくこと

書くことは好きだ。

自分の中では下手なくせに好きなものは珍しい。小さい頃から人の評価を気にする人間だったので、下手なものは嫌いだし、好きなものは大抵上手にこなせるものだった。基本的にそれは今も変わっていない。


書くことは苦手だ。

小賢しい人間なので、中学生の頃まではよく読書感想文の賞をもらっていたが、それも当時から自分の文章でないことは理解していたし、自分の文章に魅力がないことは高校生になる頃には嫌という程に感じることが出来た。結果として読むことが専門になり、学生の頃の読書量はよく言われる『最近の子供』にしては多かっただろう。


自分で文章を書きたい、と思ったのは、まだブログもないテキストサイト全盛の頃だ。テキストサイトをいくつか読み、申し訳ないが「ああ、こんな文章でも書いて良いんだ」と思った。もちろん面白い文章もたくさんあったし、自分では絶対に書くことが出来ないだろうな、と思い知らされる文章もたくさんあった。同時に、黒背景に赤フォント、行間が異常にあいていて中身もオチもない文章もたくさんあった。でも、どんなテキストサイトも文章が生き生きとしているな、と感じて、無性に自分でも文章が書きたくなった。


それでもまだオンラインには書く気になれず、ローカルにサイトを構築し、自分しか見ることのないテキストサイトを作っていた。相変わらず、下手くそで面白くもない文章だったが楽しかった。文章を書くことが楽しくて仕方がなくなった頃、やっと自分の好きな様に書けば良いことに気付かされてブログを始めた。



それから何年か経った今、twitterに文章を垂れ流し、いくつかのブログに意味なんてない文章を書いている。結局、何年経っても文章が上手くなりもしなかったし、きっとこれからも上手くならないだろう。ローカルにテキストサイトを作っていた頃と大して変わらないクオリティーと読者数、それはきっとこれからも変わらないだろう。


それでも、楽しいと思える間は、こんなどうでも良い文章を書いていたいと思う。